
BIRD RESIDENCE / MALAYSIA
巣をつくる前に、
暮らしをつくった。
アナツバメの巣(燕の巣)は、アナツバメ自身がつくるものです。人にできるのは、アナツバメが帰りたいと思える環境を整え、確かめ、守ること。その考え方を、ここに記します。
このページは、アナツバメの生育環境を住まいになぞらえて紹介しています。人間向けの不動産ではありません。
ABOUT THE PROJECT
帰る場所は、
アナツバメが選ぶ。
マレーシア・ジョホール州。海と森にはさまれた土地に、建物は低く長く横たわっています。朝の空へ飛び立ち、日が傾くころにまた戻る。ここで過ごすアナツバメは、野生のままです。
BIRD RESIDENCEは、GLYKENが現地で運営する環境を基盤に、GLYKENとNIPPON BANSHOがともに育てている、環境・研究・発信のプロジェクトです。
01 ENVIRONMENT
建物からではなく、環境から。
かつて、アナツバメのための建物は、巣を採ることを目的に考えられてきました。私たちが大切にしているのは、その出発点を変えることです。
空、森、海、水辺、植栽、餌となる虫。安全と日々の管理まで含めて、暮らす環境の全体から考える。その中に置かれた住まいが、BIRD RESIDENCEです。この考え方を、アナツバメ・森・人・研究・産業が共生する地域へ広げていく将来の構想を、BIRD CITYと呼んでいます。


02 NATURE & WATER
住まいの豊かさは、屋根の外にも。
施設の周囲には、海や池、貯水池などの水環境が点在しています。敷地にはマンゴーやグアバなどの木も植えられ、実のなる木には虫が集まります。
植栽は景観を整えるためだけのものではありません。建物の内と外は、そうしてつながっています。
03 ARCHITECTURE
空へひらき、巣づくりを支える。
建物の内側に、アナツバメが巣を構える空間を整えています。温度、湿度、明るさ、入口からの光の届き方。人にとって心地よいことが、そのままアナツバメにとってよい環境になるとは限りません。
天井の巣づくりボードには、一本ずつ細い溝が刻まれています。溝があるから足が掛かり、足が掛かるから巣を構えられる。広い建物の中でも、一つひとつの巣を支えているのは、ごく小さなつくりです。


04 AMENITY & CARE
帰るたび、整えられた住まいへ。
朝と夕方には、アナツバメを案内する音を流します。音の出る設備を用意するだけでなく、その状態を確かめることも日々の仕事です。
床にたまる羽や汚れは毎日取り除き、建物の周辺から内部まで手入れを重ねています。見学のために整えた場所ではなく、暮らしが続く場所であること。その前提に立った確認が、施設を支えています。
05 NEST MONITORING
採る前に、確かめる。
天井の巣は、床から見上げるだけでは内側が見えません。棒の先に小さな鏡を取り付けた道具を差し入れ、卵はないか、子育ての途中ではないかを、人の目で確かめます。
巣を素材として扱う前に、アナツバメが過ごした場所として見る。確認と採取を、ひと続きの作業として考えています。
